第9章 術後にメッシュ露出が改善
Uphold™ Vaginal Support System
日本で、まだ行われていない手術ですが、私たちは、2009年から取り組んできました
ひとことでいうと、膣にほとんどきることなしに、メッシュを挿入しようというものです。

この方法については、インテグラル理論を考えたペトロス教授の本に記載があります。
はじめ、彼の本をみたときは、さすがに驚きましたが

手術の傷口が1か所だけで、膀胱瘤をなおす人工メッシュをいれてしまうのです。かなりの高等なテクニックです。

理論的には、切り込みから、剥離のする専用のメッツエン(組織をきるハサミです)で、周囲を剥離します。
この技術を身につけるために、特訓したところ、現在は安定して剥離ができます。
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従来のTVM手術の技術では、
わかりやすく、説明しますと、
プロリフトなどの形態では、大きいので、膣にかなりおおきな切り込みをいれて挿入をします。それでも、挿入が難しいほどですが、だいたい30件の手術をすぎたころから、すぐ挿入は可能です。さらに、200件をすぎると、内臓への剥離もほんとうに、必要最低にてきでるようになります。しかし、膣表面の切り込みの範囲が大きいのには、かわりありません。

このぐらいのおおきな範囲で切り込みをします
そして人工メッシュを挿入したところです
でも、切開した範囲が、ひろいので、、どこかの傷があいてしまい、そこからメッシュがでてきます。
でてきた、メッシュは、感染のもとになります。図の黄色の玉は感染をいきして、イメージ図をかいてみました。これが、従来の方法です。
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新しい技術では、、
挿入する人工メッシュは、若干小さいです
しかし、日本人には、この程度で十分です
膣の切り込みですが、わずかに、メッツエンというはさみが、すこし入る程度です
ほんの2cmか1cmです。
この小さな穴から、メッシュを均等にいれるのにちょうどよい、必要十分な剥離をします
もちろん、指で触った感触で、血管のあるないなどを、理解しながら剥離するので、400件ぐらい手術をこなしたころからできるようになります
奥井Drの場合は、2010年で、生涯で1500件をこえていますので、すぐ体得できました
初心者には、むずかしい手術ですね。それに、弟子におしえても、なかなか上手にはなりません。時間のかかるテクニックです

この小さなあなから、人工メッシュがはいります
上手にいれないと、中で出血がとまらなくなるので、慎重におこないます
自信をもっておこないますが、過信は禁物です
いつでも、上のような膣をおおきくきる手術に変更する心のゆとりを、医師も患者ももつべきです。しかし、いまのところは、この方法でするときめた人で、途中変更やトラブルはありません。だから、高齢者の場合は、血管が出血しやすいので、できたら、この技術はすすめません。

傷はちいいさいので、とうぜん、人工メッシュの露出は、ありえないことになりますが
それでも、ゼロとはいえません。現段階では、ありません
そして、この切開をおく、位置を工夫すると、術後セックスを継続できるのが可能です。
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ここからさきは、写真がでてきます。
気になる人は、ここから下の写真は、みないでくださいね
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たとえば、この女性は、かなりおおきな膀胱瘤をふくむ骨盤臓器脱です。通常大量の人工メッシュをいれます。
GYNECARE PROLIFT™ Pelvic Floor Repair System

前回はなした、プロリフト・システムだと、こんなに量がおおいわけです。
でも、なんとか、これだけの量のメッシュをいれると、あとで、傷がひらいてメッシュが露出してきます。すると問題があります
通常はあらえば、なんともないのですが、すくなくともセックスはできません
もし、患者さんが、まだセックスを希望する年齢であったり、
メッシュの露出のリスクをできるだけ避けたいと考える場合は、
沢山のメッシュをいれることは、ためらがあります
高齢者なら、膣を、おだやかに縫って、小さくしながら、必要最低限のメッシュでなおすのもよい選択ですが、年齢がわかいと、その後の長い人生にメッシュが露出してることが、トラブルになるのではと考えるのです

そこで、努力の成果、1か所もしくは、2か所を小さくきるだけで、メッシュをいれることができるようになりました。これには、常日頃、沢山の数をこなしていないとできませんが、メッツエンでうまく剥離をして、小さな傷ですませます。すると、術後のメッシュの露出はありません。

膣は、1か所しか切り込んでいませんから、しあがりは、このようにセックスが可能な膣になります。僕の病院や、僕が指導している帝京大学では、この方法は、30歳から59歳までの範囲でひきうけています。もちろん、それよりも年齢が上の方では、メッシュをつかってほしい、でも、術後の露出を控えてほしい という、希望の強い方は、引き受けます。
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そこで、この手術方法が、製品としてでないかなとおもっていると
やはり、もともとペトロス先生が考えたのですから、2009年から製品がでています。
Uphold™ Vaginal Support System という製品です。

こちらは、このようなコンパクトなタイプです。実際は、高齢者には、こちらのタイプの方がラクに手術がすすみ、効果があります
もちろん、日本で手術する場合には、この形状にメッシュを医師が切り取って、挿入にもちいいます

こちらが、挿入道具です。工夫して、日本にある道具をうまくつかって、挿入しています
道具に関しては、企業秘密なので、ごめんなさい
これで挿入すると、

この絵にあるようなイメージで、メッシュが挿入されて、しかも傷がちいいさく、メッシュが露出してくるリスクがすごく低いのです。
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この道具の方法をもちいると、

このように、膀胱などの骨盤内臓器をささえる靭帯(腱弓というものや、仙棘靭帯というものです)に、皮膚を切らずに、膣にきりこんだ小さな穴から糸をかけます。

こんな具合です。





