過活動膀胱 と 膀胱瘤

『過活動膀胱 と 膀胱瘤』 もくじ

1  論文になりました。
2  膀胱瘤の人は頻尿が多い
3  過活動膀胱って何?
4  膀胱瘤の手術の最新は?
5  膀胱瘤の手術で、過活動膀胱はなおるの?
6  膀胱瘤 と 過活動膀胱 その生活のヒントは?


第4章 膀胱瘤の最新の手術は?

2000年前後に発表されたオーストラリアの産婦人科医ペトロスのインテグラル理論というものがあります。大変むずかしいうえ、簡略化された機能的なものです。

一般の人に、理論をすべて覚えることは難しいので、簡単にかんがえてみましょう。この理屈は、力のことなのです。高校の物理の力学なのです。
前方向の力と、後方向の力の、バランスが大切なのです。



この理論をうまくつかって、考えだされた膀胱瘤の手術がTVM手術といいます。僕は、アメリカ式に、a-IVSと呼んでおります。メッシュをもちいた手術は、この力のバランスを、たもつことが目的です。人工メッシュをもちいます。



いままでの手術は、それはそれでいいものでした。膣前壁縫縮術といいます。

あまっている膣の前をぬいあわせて、膀胱をもちあげるものでした。この手術ですと、30%に再発があるとされました。

でも、ここで、大切なこと!
70%にはいる人なのか、30%にはいる人なのか、ちゃんとみきわめていけば、
必要のない人までメッシュをもちいた手術をする必要がありません。



この写真は、僕のクリニックの日帰り手術室です。


さて、手術ですが、膣前壁縫縮術も、メッシュを使った手術も、現在は日帰りでできるのが、基本です。


日帰りで手術ができるためには、医療側と患者側におたがいにポイントがあります。
もし、あなたの主治医にメッシュ手術をすすめられたときに、説明をうけることでしょう。
このとき、こんなポイントを気をつけて聞いていくとよいとおもいます。

医療側のポイント(先生の説明を聞くときに頭におもいうかべてください)
1) 手術の出血量は50ml以下、手術時間は50分以下が基本である。(たとえメッシュをもちいる手術でも、出血は平均30mlがのぞましい)なお、人間の体は、800mlの出血で疲れ気味で、1200mlの出血では輸血を考慮する必要があり、2000mlの出血では重症です。だから、50ml以下の出血なら元気のままです。なお、メッシュをつかわない場合は、手術の出血量は30ml以下、時間が30分が基本です。
2) 手術は、年間30件以上おこなっている医師であること。手術をしているといっても、他の医師の手伝いではありません。自分の手で30件は確実にしていることが大切です。できたら、毎週3人ずつはしていれば、まず大丈夫。その理由は、人工メッシュを挿入するときに、おおきな針をからだに挿入します。これは、閉鎖くうということに挿入するのですが、難しいです。確実に、1度で、適切な場所へ挿入するには、熟達が必要です。
3) 麻酔が工夫されていること。せっかくの手術でも、おおがかりな麻酔は必要ありません。だって、おおきな麻酔がないと手術できないとなれば、高齢者はどうしたらいいのでしょうか?この手術は、手術時間50分以内にできるべきものですから、すこしの時間で十分なのです。

患者側のポイント
1) 体調管理にこころがけること。日帰りでできるのですから、いままでの手術のイメージではいけません。直前まであるき、たべ、元気にします。水分は、当日ものんでくる。手術の朝、僕のクリニックの場合は、栄養ドリンクなどで、十分な栄養とカロリーをとってきていただきます。
2) 手術がおわったら、サンドイッチをたべることができます。水分もとれます。トイレも自分でできます。ですから、自立した考え方をもってください
3) 手術がおわった後の電車は、1時間以内が必要です。駅がいちばん心配なのです。混雑した駅、階段、術後の人には危険です。
4) 日帰り手術のメリットは、術後なれた家で寝れる、そして、術後から家事ができる。でも気をつけてほしいのは、メッシュがからだにちゃんと生着するまでは、5kg以上おもいものをもたないようにしてください。
5) メッシュ手術のメッシュがおちつくまでは、多少は違和感がある場合もあります。



参考までに、
骨盤の骨の構造と、血管の構造はこうなっています。


閉鎖膜というのは、この図に三角形の形状(緑色の三角形)をしたものです。左はわかりやすいように血管をたくさんかいてみました。


そして、メッシュを挿入するときに、針を挿入するのは、

この図の赤いところなのです。いかに、血管や神経がたくさん集中しているかわかるとおもいます。だから、毎週手術して熟練している医師でないといけないとおもいます。毎週するとしたら、1年は50週ありますので、せめてその60%の30件です。


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