奥井識仁おすすめ 黒澤明映画その2  こだわりの『影武者』

映画『影武者』の信玄の兜は、本物か?
黒澤監督は、『影武者』で武田信玄をテーマにした。これは、監督がすっと以前から戦国大名とくに武田信玄のような影響力のある人物をテーマにしたかったからである。でも、武田信玄としえば、大河ドラマでおなじみの諏訪法性の兜である。この作品の兜とは違う。なぜなんだろう。そこで、諏訪法性の兜というものを、しらべてみると実はどの兜なのかはっきりしていないことがわかる。いちばん可能性があるのが、写真のようなものだ。大河ドラマでよくみる白いヤクの毛がついた笠しころのタイプである。武田信玄がどんな人だったのかは、軍事機密なので兜がわからないのも当然のこと。江戸時代に流行した人形浄瑠璃『八重垣姫』というのがあって、その姫が守る兜が、このタイプである。


映画『影武者』では、徳川家康の兜をモチーフにして黒澤監督がデザインした
そこで、黒澤監督の武田信玄は、『風林火山』の四文字からイメージをふくらませた。『風』『林』『火』そして『山』とそれぞれに役割をもたせた。映画のテーマを明確にしたのだ。もちろん『山』は武田信玄である。劇中に、こんなシーンがある。「どうして、おじじは、『お山』といわれるの?」「それはですな、武田の旗には、風林火山の四文字があるでしょう。そのなかでも、御屋形様(信玄)は、山のようにずっしりと構えたお方。だから山なのです。』黒澤監督は、『山』という文字と信玄をかさねたかった。そこで、注目したのが、敵将徳川家康の兜である。下の左の写真は、大釘一の谷兜といって徳川家康が三方が原合戦のころ着用した兜である。東京国立博物館に保存されている。下の右は、よこすか女性泌尿器科クリニックにおいてある兜である。

この兜の後についている大釘をとりのぞいて、山の文字をつけると、黒澤映画の武田信玄の兜になる。その証拠に映画「影武者」をめをこらしてよくみてみると、大釘をつけていたはずのあとが、兜の背面にあるのだ。

黒澤監督の当初のスケッチには、この一の谷兜が描かれている。兜をつけた勝新太郎である。

この兜については、まだ逸話がある。どこにも記録がのこっていないが、僕が少年時代に影武者の特番で、映画のスタッフが語っていた。そのとき、黒澤監督は、兜をとりdくぁして、『こんなにきれいで新品じゃだめだ、こうして、(砂をてにとり、兜を砂でごしごしこすった)するんだ』と。より、リアルをもとめる監督らしい話で、子供のころも僕にも印象にのこった。



英語版『影武者』をyoutubeでみよう

影武者は、Kagemushaとかきます。英語でその意味は、 The Shadow Warriorとなります。もちろん、ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグが監修して英語字幕をつけたものです。公開当初、英語版では、上杉謙信などのシーンは日本人でないと意味がわからないので、カットされたそうです。



影武者が公開されたときの海外のプレスです。


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