女性泌尿器科専門のクリニック

手術の基本的な考え方

.    当院は、基本的に、保険の手術をおすすめします。日本国の方針で、保険の手術と自費の手術は一緒におこなうことはできませんが、保険の手術は大変数が多く、手技も安定したもののみになっています。
このため、データがはっきりしているので、保険手術をおすすめします。


腹圧性尿失禁の場合

腹圧性尿失禁は、尿道のまわりの筋肉の状態でことなります。筋肉がしっかりしている人や、出産のときに傷が大きく入った人までさまざまにいます。
この病状と年齢、および家庭での生活を考慮して治療を選択します。

骨盤臓器脱の場合

骨盤臓器脱は、膀胱や子宮や直腸をささえる筋膜がどの程度弱っているかできまります。比較的おとなしい場合は、経過をみていきますが、大きく損傷があれば膀胱の落ち方がつよくなります。そこで、手術により膀胱をもちあげ、筋膜を強化します。強化する際に、人工メッシュを用いないことが当院では一般的としています。補強が広範囲だったり、強い固定が必要な場合はメッシュを用います。


これならよくわかる。保険医療と自費医療の治療決定の仕方

(法律上、保険診療と自費診療は、一緒にはできません。保険診療の手術に自費を組み合わせもできません。それぞれ別になります。治療の途中で、自費の方がよいと判断した場合は、そこで切り替えます。法律ですので、ご了解ください)

   


1.腹圧性尿失禁。30歳。子供一人。もうひとり子供を産みたい

このケースでは、人工靭帯を尿道に挿入して固定する方法は、性交渉・妊娠・出産に影響をあたえることがあります。そこで、勧めません。このため、軽度の尿失禁であれば、骨盤底筋体操をすることで過ごします。40歳ぐらいになり、出産をしなくなったころには、尿失禁がいまより悪化するかもしれませんが、その時、人工テープの手術をします。
子供をもう一人出産したいとか、人工物を挿入することを避けたい人もいます。この場合は、レーザー(自費)により尿道のまわりに念入りにレーザーを照射します。


 2.腹圧性尿失禁。80歳。高齢であることを心配

このケースでは、人工靭帯を尿道に挿入して固定する方法は、感染のもとになりますので、女性ホルモン補充治療を保険で行います。女性ホルモン補充にて副作用である”ほてり”などが、大きくでてくるケースがあります。そのときは、自費で低用量女性ホルモン補充に切り替えます。しかし、これも副作用でなやむケースがあります。この場合は、レーザー(自費)を尿道のまわりに照射して尿失禁の改善を試みます。


3.骨盤臓器脱。30歳の場合

あまりにも若いので、骨盤臓器脱をなおす治療を、保険である膀胱脱やメッシュ手術でおこなうのは、その後の性生活や出産におおきなトラブルをおこします。とくに、出産前の人にメッシュはおすすめできません。そこで、最初から自費としてレーザー手術を行います。


4.骨盤臓器脱。90歳の場合

90歳にメッシュ手術をおこなうと、感染の問題があります。メッシュは、挿入したあとに、組織が生えてこないと、露出するからです。しかしながら、この年齢の骨盤臓器脱は重症であることがしばしばです。そこで、この場合は、中央閉鎖(膣閉鎖)をおすすめします


5.子宮を摘出後のおおきな小腸瘤(小腸がでてくること)がある。60歳の場合

これは、子宮を固定する靭帯そのものが存在しないために、小腸がおちてくるのです。そこで、かってあった身体をささえる子宮を固定する靭帯を再建する必要があります。それには、人工メッシュを挿入して固定することです。しかし、血流がわるくて、メッシュを挿入したあと、傷の治りがわるく、メッシュが露出したりびらんをおこすことがあるでしょう。そこで、あらかじめ、女性ホルモン補充や、漢方を処方します。


6.腹圧性尿失禁がかってあったが、膀胱瘤が出現したら尿失禁はなくなった。65歳

2つの考え方があります。一つは、膀胱瘤のみを改善させる方法です。これは、メッシュをつかう場合と、つかわない場合があります。できれば、つかわない手術を選択したいとおもいます。というのは、膀胱瘤を治した後で、腹圧性尿失禁がまた出現するかもしれないからです。そのとき、尿道に人工テープをいれて固定しないと尿失禁はなおりません。つまり、2度も人工物を挿入することになります。
もうひとつの考え方は、膀胱瘤の手術のときに、尿失禁の手術であるTOT手術を一緒におこなうことです。これは、尿道過可動が明らか過ぎる場合にお勧めします。このとき、尿道にのみ人工メッシュをいれて吊り上げて、膀胱の支えには入れない方法と、尿道にも膀胱にも人工メッシュをいれて支える方法があります。


7.以前メッシュ手術をしたところ、一部メッシュがでてきた。70歳

メッシュの出てきた部分を切除する手術が適切です。その場合は、メッシュの周囲の組織を剥離して、該当する部分を切り抜きます。そして、のこった組織を縫合します


8.腹圧性尿失禁のTVT手術、もしくは、TOT手術をしたが、腹圧性尿失禁が残った場合。50歳

2つの考え方があります。一つは、TOT手術を追加するということ。これは、尿道の回りにある内尿道括約筋がしっかり存在する場合です。しかし、欠点があります。二重に人工テープが入るということです。もう一つの考え方は、尿道を固定しても尿道をささえる筋肉はカバーされていますが、尿道の回りにある内尿道括約筋が非常にもろくて筋肉として役立たないということです。このときは、尿道のまわりにレーザーをあてて、コラーゲンを増やすことも一つの考え方です。



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